トピックス

2015年3月29日
防波システム研究所は、2015年3月14日から18日に宮城県仙台市で行われた国連防災世界会議に展示参加し、仙台メディアテークの6階で出展しました。日本国内及び海外から多数の方に御来場いただき、厚く御礼申し上げます。国連防災世界会議で展示したポスターをホームページに掲載しました。 
国連防災世界会議に展示したポスターで使われているコピー(各ポスターに入っています)は、第50回及び第52回宣伝会議賞でファイナリストになったコピーライターが作成したもので、ヒューマンな観点から捉えられた内容となっています。 

2015年4月10日
東京海洋大学増田先生の御指導の下で、大学院生の藤田君らが行った実験結果の動画を、紹介します。国連防災世界会議で紹介させていただいていたものです。この動画で分かるように、防波扉は、浮力で立ち上がるというより、波の押し寄せる力であっという間に立ちあがると観察されます。

2015年8月23日
京都大学防災研究所宇治川オープンラボラトリーで、4月8ー17日、5月11-13日に、防波扉、防波門、防波筏、防波サポートの性能確認実験を行った。 その結果を報告書にまとめましたので、その概要を報告します。
結果として下記の3点を確認しました。
「防波扉、防波門、防波筏は、波の浸水に対して自動的に立ちあがって防波堤として機能すること」
「相応の津波減災効果(固定式防波堤の80-90%程度の減災効果)を持つこと」、
「これらの木製構造物が波の浸水の中で、津波減災設備として機能するのに充分な強度を保持していること」
2015年9月6日
京都大学防災研究所宇治川オープンラボラトリーで行った防波扉の実験動画をアップしました。15cm高さで、98cm幅、4cm厚みの防波扉で、13cmの孤立波に対しての防災性能を確認したものです。この時の津波減災効率は、約30.7%で、固定式防波堤の時の津波減災効率34.9%の約88%に当ると評価しています。

2016年2月15日
2月5日に行った2段式防波扉モデルの動作実験で、2段に畳んで設置した防波扉が、実験波の浸水の中で1段目、2段目と段階的に立ち上がり、2段分と同じ高さの固定式防潮堤の80%程度の波高低減効果を持つことを確認しました。 添付の動画を参照下さい。 [実験詳細] 防波システム研究所は、2016年2月1~5日に京都大学防災研究所宇治川オープンラボラトリーで2段式防波扉の実験を行い、性能動作を下記のように確認しました。 今回実験したモデルは、10cm高さの防波扉(91cm幅25mm厚み)2段を蝶番形式で繋ぎ合わせ山折に重ねたものを、山の背を海側に設置して、上段の繋ぎ合わせていない長辺を地表面に蝶番形式で繋いだものです。(山折部の蝶番は、0.5mm径のテグスを2重リングしたもので3か所で繋いで、地表面との蝶番は、0.9mm径の金属ワイヤを2重リングにして3か所で繋いだもので、シンプルな繋ぎです。) 動画を見ると、防波扉は実験波が接触した瞬間に1段目と2段目が山折の形で重なったまま立ち上がり、その後、実験波が大きく越流して行く中で、2段目が垂直に垂れ下がった状態から垂直上方に立ち上がり、延びあがるように浮き上がり、波が落ち着いて来ると、一段目にくっつくように動作することが分かりました。 この浮き上がりの動作は、蝶番部の余裕によるものですが、防波扉が立ち上がった時の垂直面積分、浸水を阻止するというコンセプトには合致しており、津波高さの低減効果には差異を持たらさないと考えます。この2段式防波扉の立ち上がり時の波高低減効果は、発生波高16cmの時に、固定式防潮堤(2段を立てて両側と下部をパテで詰めて実験)の時と比べると、約61%あることが分かりました。なお、2段共を立たせておいて実験波を当てた時の波高低減効果は、固定式防潮堤の時と比べると、約84%あることが分かったので、長い津波浸水においては、後者の(固定式防潮堤の時と比べて)84%前後で波高低減できると考えます。 今回、2段式の防波扉が上手く動作することが確認されたことから、防波扉は少なくとも2段折りにして設置できることが分かり、コンパクトに設置できるという成果を明確にできたと考えます。
2016年12月30日
(1)2016年7月8日に相模川の川原で3段式防波扉モデルの動作実験を行いました。これには、折り畳んだ3段が上手く開いて立ち上がるように工夫をしてあります。実験の結果として、3段に折り畳んで設置した防波扉が、実験波の浸水の中で、スムーズに立ち上がることが確認できました。 添付の動画を参照下さい。(この実験は、川原で行っているために、数値になった結果は得られていませんが、適切に開いて防潮堤として機能していくのが確認できました。)

(2)2016年9月初め、自然災害学会誌(Vol.35 No.2 2016)が発行され、論文「自動式木製津波低減設備の実験」が掲載されました。この論文は、2015年4-5月に京都大学防災研究所宇治川オープンラボラトリーで行った最初の実験結果をまとめたものです。学会から厳格な論文査読を頂き、整理された内容になっています。

(3)2016年9月21日、日本自然災害学会学術講演会(静岡市地震防災センター)で、「自動式木製津波低減設備の実験」と題して、講演発表しました。 これも主として、2015年4-5月に京都大学防災研究所宇治川オープンラボラトリーで行った最初の実験結果を報告し、2段式と3段式の結果にも触れました。内容は添付ご参照下さい。

(4)日揮OBの橋本升様(NPO法人環境ベテランズファーム(EVF)副理事長)からお話を頂き、EVFでセミナーをさせて頂きました。2016年12月15日に、「自動式巨大津波減災装置の開発」という題目で、東京田町にあるEVFのオフィスで行いました。防波システム研究所としての事業活動を初めてセミナー講演させて頂き、とても有意義でした。内容につきましては、添付のEVFセミナー資料をご参照下さい。
 
2019年11月4日
久しぶりにHPをアップデートします。2018年9月に京都大学防災研究所で3段式防波扉の中規模実証実験(水路幅4m、防波扉高さ15cmx3段、防波扉幅1.8mx2)に成功しました。添付の動画を参照下さい

動画は1/4のスロービデオです。
2022年5月25日
ロール3段式防波扉大規模実証実験に成功

防波システム研究所は、小型自動式津波減災設備であるロール3段式防波扉の大規模実証実験(水路幅3.6m、防波扉高さ40cmx3段、防波扉幅3.3m)に2022年3月米国オレゴン州立大学の実験設備で成功しました。 添付の動画と連続写真資料をご参照下さい。このロール3段式防波扉は、3ステージの防波扉をロール式に収納しているもので、安定して津波を受けて防潮堤としての最大高さまで展開するものです。黒潮町佐賀漁港に計画を申請するデモプラントと同じ形式であり、実用化に向けた大きな前進となりました。

実験動画

実験連続写真

 

2022年11月17日
2022年10月23日、ぼうさいこくたい2022神戸で防波システム研究所の活動報告の発表を行いました。場所は神戸市JICA関西2階のイグナイトステージ会場です。
発表時間は13:30~13:45のわずか15分間でしたが、協力団体として下記の5団体にも発表を行って頂き、情報密度だけは高い発表でした。

1. 京都大学防災研究所 沿岸域土砂環境研究領域
2. 爆発研究所 
3. 国際津波防災学会 津波防災対策検討分科会
4. NPO法人 タクローの会 
5. NPO法人 津波太郎 

発表を録画した動画、プレゼン資料、会場に展示したポスター3点(防波システム研究所、津波防災対策検討分科会、タクローの会の3団体に対応)を当サイトに掲示していますので、ご覧頂き、防波システム研究所及び協力5団体の今後の動向にご注視頂けると有難く存じます。
なお、来2023年のぼうさいこくたいは、神奈川で開催されるとのことですので、活動の進展状況をご報告させて頂きたいと考えています。こちらも是非ご来場頂けますようにお願いします。

動画

 

プレゼンテーション資料

 

ポスター